
生まれつき顔の右側にあざの一種である「太田母斑」を持つあざみさん。10代から“あざ隠しメイク”をはじめ、「あざにほとんど気づかれない」ほどメイクのスキルも上がったという。並行してレーザー治療も行い、徐々にあざは薄くなってきている。 【画像】「成長するにつれ範囲が拡大」顔の右半分を覆うように…あざみさんの半生を写真で一気に見る メイク術と治療の経過をSNSで発信し始めたことであざに対する思いに変化もあったというあざみさんに、あざを自覚したきっかけや、周囲の反応について、また、メイクに目覚めた当時のことなどについて聞いた。(全3回の1回目/ つづきを読む ) ◆◆◆
治療をしないと薄くならない「太田母斑」
――あざみさんは生まれつき、あざの一種の「太田母斑」があるということですが、この太田母斑の特徴は? あざみさん(以降、あざみ) 青いあざで、多くが顔の片側、目の周りを中心にできるみたいです。あと私は目の中にもあざがありますね。 ――見え方には特に影響はなく? あざみ 見え方とか視力には影響しないですね。でも、小さい時は勘違いしてて。 時々、明るい場所で微生物みたいなもやもやが見えることがあるじゃないですか。あれが、自分のあざによって見えるものだと思って母親に相談したことがありました。「いや、それは関係ない」って即答されましたけど(笑)。 ――あざみさんも右目の周りを中心としたあざということで、太田母斑の中ではよくあるタイプということでしょうか。 あざみ そうですね。スタンダードな太田母斑だと思いますけど、範囲は普通より広めで色も濃い方だと言われました。 ――あざの範囲や濃さは、成長とともに変化が? あざみ 自分では範囲が広がったとか濃くなった気はしないんですけど、小学生くらいの時に病院の先生からは、範囲は広くなると言われていました。 そもそも、治療をしない限り薄くなることもありません。
子ども時代は治療をしなかった
――小さい時から太田母斑については自覚していた? あざみ 「太田母斑」という名前を聞いたのは小学生か中学生かくらいだったと思いますが、自分の顔が人と違うことは、小さい時からわかっていました。でも悪いことだとも思ってないし、人が気にすることだとも思っていなかったです。 ――生まれつきということですが、出産時のことなどをご両親から聞いたことは? あざみ 赤ちゃんの時の写真からあざがあるのは私も見てるんですけど、太田母斑について親から何か言われたことはほとんどなくて。 小さい時は心疾患があったみたいで、そっちで手一杯だったということもあるかもしれませんが、親もなんとなくあざのことは言いづらかったのかもしれないです。 ――現在はレーザー治療を受けているということですが、小さい時から治療はされていたのでしょうか。 あざみ 全くしてなかったんですけど、母親が病院の先生から、「大人にならないとあざの範囲が定まらないから、治療はもうちょっと大きくなってからでいいんじゃない?」みたいな話をされている記憶はあって。治療したところは治っても、後から範囲が広がる可能性があるから、ということでした。 その後、中学生くらいになってから「治療したい?」と母に聞かれたんですけど、はっきり「したい」とも言えず、曖昧に答えたらそのまま一切聞かれなかったですね。 ――当時はあまりあざが気になっていなかった? あざみ そんなことはないんですけど、「治療したい」と言ったら、親に「やっぱり気にしてたんだ。ごめんね」と思わせてしまうのが嫌だったんですよね。 なので今もレーザー治療していることは伝えていないです。
普通の化粧品では隠れなかった
――「あざ隠しメイク」をはじめたのも思春期の頃? あざみ 中学の時にコンシーラーの存在を知って、「これで隠せるかも」と思って手に入れたんですけど、全然隠れなかったんですよね。 ――目のクマとかシミ隠しなんかに使うメイク道具ですよね。 あざみ 普通のコンシーラーじゃ全然でしたね。でも、コンシーラーで隠せたら隠せたであざを気にしてることがバレるな、っていう謎の葛藤もあって。 あざは隠したいけど、隠すにしても、気にしていることがバレないように隠したいという、非常に揺れる気持ちでメイクをはじめていました(笑)。 そのうち高校生になり、周りにメイクしている子が増えたこともあって、がっつりやるようになるんですけども。
メイクをしてから変わったこと
――がっつりメイクをした結果、現在のような、まったくあざがわからない「あざ隠し」が成功して。 あざみ そうですね。一緒の高校に通っていた子でも、私にあざがあることを知らない子もいたくらいなんで、隠せていたと思います。もうめちゃくちゃにただ塗りたくるメイクでしたけど。 ――あざを完璧に隠すようになって、メンタルにも変化がありましたか。 あざみ それまでは周りから見られていたと思うんで、周囲の視線とぶつからないよう、あんまり周りを見ないで歩いてたんですけど、メイクしてからは人の視線が気にならなくなりました。 それまでは写真を撮る時も髪で顔を隠してましたけど、高校生の時の写真を見るとそれもちょっと和らいでたり、あとは、初対面の人と会う時のストレスが減りました。 ――初対面の人はストレスになっていたんですね。 あざみ 「どうしたの?」って聞かれるのがもう面倒になっていたんです。特に、男の人と会うのは嫌でしたね。 ――男性の場合、どんな反応が多かった? あざみ 男女ともに同じくらい質問はされるんですけど、その後の反応がこう……男性の方が明らかに優しくないっていうか。「あの男の子が気持ち悪いって言ってたよ」とかって人づてに言われることもありましたし。まあ、そう伝えてくる人もどうかと思いますけど。 「皮剥いだら綺麗になるんだろ?」顔の右半分に濃紺のあざ…生まれつきの母斑と生きる女性が明かす、すっぴんを見せた異性からの「まさかの反応」 へ続く
小泉 なつみ
外に出るたび「どうしたの?」と言われ続けて…
――では、家の中であざのことが話題に上ることはほとんどなく? あざみ ほぼなかったですね。だから、何かあるとしたら家の「外」ですよね。 小さい時は知らない人から「どうしたの?」って聞かれるのはしょっちゅうでしたし、「かわいそうに」って声をかけられることもありました。 あと、母親が「治療してあげなさいよ」みたいに言われているのも見たことがあります。 ――余計なお世話ですね……。 あざみ 当時は「また言われてるな」くらいだったんですけど、今思えばおせっかいですよね(笑)。 ――周囲の“おせっかい”に対して、両親はどんな風に対応を? あざみ スルー気味で、「はいはい」って感じでしたね。真摯には受け止めないけど、一応聞いてるフリだけしておく、みたいな。 ――あざみさんがあざについて気になりだしたきっかけは? あざみ 小さい時から母が「生まれつきなんだよ」と周囲に説明していたので、私も何か聞かれた時には同じように返事をしていたんです。 そんな時、周りにいろいろ聞かれすぎた母が嫌になったのか、私が返事しようとしたのを遮って、「これは生まれつきだから!」とピシャっと返したことがあって。その時、「このあざはあんまり嬉しくないことなんだな」と、子ども心に感じた気がします。
思春期の頃から、見た目を気にしはじめた
――そこから「あざ隠し」の方に興味を持っていった? あざみ 「隠したい」と思うようになったのは、思春期になって見た目を気にしだしたあたりからかな。 あと、年代的にプリクラの影響もあるかなと。私の時代は白飛びするような仕上がりだったので、プリクラだとあざも消えて写るんですけど、その写真を見て「可愛いね」となっても、実際に会うと違うわけじゃないですか。だから、プリクラで自分に興味を持つような人にはできるだけ会わないようにしていました。 ――プリクラきっかけで嫌な目に遭うことがあった? あざみ いや、実際にはなかったんですけど、自分自身で思い込んでいたというか、予防線を張って傷つかないようにしていたんだと思います。
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